小中高生の時期を大阪府で過ごす。
現在は京都府在住。
ラテンの血を引く。専ら、沖縄出身とか東南アジア出身者とかと間違われる。
とある変人自由人による読書感想文兼エッセイ
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プラトン著『ソクラテスの弁明』『クリトン』を読みました。
特に前者は、倫理の授業でよく話した内容なので、読んでいてわかりやすかったです。
どちらも量も少なく、読みやすいので、手軽に読めます。
ソクラテスのように、知者、物知りだと自負している無知蒙昧な人に無知であることを自覚させ、学問の出発点であるべき「無知の知」という謙虚な態度にもっていこうとする、つまり啓蒙の人間はいつの時代も、自己反省をしない虚栄心や猜疑心の強い人間にとっては、高慢に見え、煙たがられる存在なのであろう。
ソクラテスが、自らの理性の示す道、また神の栄光によって導かれる道にのみ従うべきであり、それは今まで行ってきたように青年をはじめ多くのアテナイ人と対話することであり、国法がそれを止めるように命じるならば、それに従うことはできないとし、国法が死刑を命じるならば、それを受けようとした。
いや、自分の信じるところの真理に反することを、是が非でも貫徹させる態度、知行合一を貫くのは、哲人そのものであろう。
ただ、読んでいて思ったのは、論理の展開が類推によるものが多いのが気になったが、当時のギリシャではその手の論理の展開が常套手段だったのだろうと思った。
『クリトン』の対話篇でソクラテスを説得するクリトンとソクラテスとのやり取りがすごく面白かった。
善く生きること、美しく生きること、正しく生きること、はすべて同じことだという内容があって、すごく印象的だった。うん。
あと、ソクラテスの国家観(といってしまうと、国法との”対話”はプラトンの創作だろうから、純粋にソクラテスのそれとはいいづらいのはあろうが)に、ちょっと関心を持った。
図解雑学シリーズ『読みたくなる世界史』の12,13頁において、ソクラテスを告発した3人のうちの1人、アニュトスがアルキビアデスという青年をめぐって、ソクラテスと恋敵であり、その嫉妬心があり、そして彼がペロポネソス戦争でスパルタに情報を売り寝返った男であり、その師であり恋人であるソクラテスをその廉で糾弾したという隠された史実があるとかないか。笑
ソクラテスは、国家の認める神を信じず、青年を誘惑し害を与えたという理由で告発されたとなっているが。
古代ギリシャは同性愛が美しいもと最上なるものとされ、青年のギリシャ的肉体美がもてはやされた時代である。
実に開放的で羨ましい限りである笑